三室山

本を読んだり映画を見たり、鉄道唱歌の旅に出たり

『累』―近代的自我の探求―

映画「累」本日公開! そして原作『累』最終巻も本日発売! めでたい! 実は、映画は幸せなことに試写会にて一足お先に拝見してきました。ファンミーティング試写会ということで、上映後に松浦だるま先生と佐藤祐市監督のお話もお聞きできて胸がいっぱい。映…

ラスコーリニコフに糖分を

「罪と罰」の主人公、ロジオン・ロマーヌイチ・ラスコーリニコフくん。彼はお話の初めから終わりまで、実に忙しい精神と肉体との上昇・下降を繰り返す。 特に最初の、事件後の長い長い寝込み期間とその後の徘徊は凄まじい。 彼のこの状態は、素晴らしいお友…

ホモ・サピエンス・サピエンス

年末年始、ポケ森の正月イベントやバイトの連勤術と戦いながら 「歌うネアンデルタール」を読んだ。全てが、ほえ〜勉強になるなあ! という感じで、とっても面白かった。有意義。 歌うネアンデルタール―音楽と言語から見るヒトの進化 作者: スティーヴンミズ…

芥川賞マラソン②

芥川賞マラソン① - 三室山 第154回(2015下) 本谷有希子 「異類婚姻譚」 読みやすかった。ただし猫が心に刺さってしまった。山行くときは意外と近いねって行ってたのに結局アメリカ戻っちゃうし!! 女の感覚を描く系だけど、選評にもあった夫婦あるあるの恐…

背伸びの読書

小学二年生のクリスマス、「ハリーポッターと秘密の部屋」を親にリクエストし買ってもらった。ハリーポッターは当時話題になり始めていて、ちょうどこの第二巻が新刊として本屋の表に特集されていたのだ。 しかし小学二年生の私、意気揚々と朝読書へ持って行…

ザ・チョーヤのブラックで

ハッピーニューイヤー。今年もよろしくお願いします。さすがに年末年始もストロングは嫌だ! と、ザ・チョーヤを買ってきました。奮発。 酔っぱらいつつ、2017年を振り返ります。 まずは観た映画を書き連ねます。メモです。ファンタステック・ビースト …

季節の読書・映画

突然ですが私は、アマゾンスチューデントと言う名の半額プライム会員です。プライムビデオ目当てに去年の今頃入って、それから1年間ドラマ、アニメ、映画と色々流しては刺し子をちくちくする、という新しい趣味を得ました。そんでもって更新する予定です。 …

裁断面のペラリで卒倒しろ!

本は好き。おそらく日本人の平均よりは多く読んでいる。けど、それを全部買ってたら破産する。本って図書館とか古本屋にたくさんあるんだよね。だからそうして、大抵をタダか100円かで済ませてきた。 けど本屋は行くし、新しい本もたまには買う。 大抵は人か…

続 純文学と大衆小説の狭間

純文学と大衆小説の狭間 - 三室山 小野不由美「屍鬼」を読んだ。 長かったけど、ひさびさに「いっちょ朝まで頑張って読むか!」と明け方まで粘れる小説だった。こう、ダメだ続きをくれ!寝ないで良い!! ってなるのはやっぱりミステリ系が多いよね。よくや…

芥川賞マラソン①

芥川賞受賞作を新しいものから遡ってちまちま読む。そんな読書マラソンを始めた。 動機はなんとなく、遠藤周作が受賞したころまで遡ったら面白いかなあと思いまして。芥川賞は文藝春秋に絶対載っているので遡りやすくて、それもある。 雑誌バックナンバーは…

文学研究とオタク商法

オタク商法......カドカワ商法とか言われたりもするが、すなわち設定の断片=材料 を売り、消費者に創作(妄想)させ、消費者はさらなる創作のために材料を買い求める、そんな商法。 たとえば特典で付いてくる一枚絵から、巻末のキャラクターデータから。キャ…

純文学と大衆小説の狭間

純文学と大衆小説。これを分けて、評価することはもちろん好かない。けれど小説に大きく分けて二つのパターンがあることは、確かだと思う。 パターン①…場外ホームラン! 打った本人(作者)もその行方は分からない。みんなも探してくれ……というもの。 パター…

文学研究のプリオシン海岸

軽井沢のセミナーハウス、コース合宿の二日目。隣でカレーライスを食べていらっしゃったM先生が言った。 「でも、論文を書くのは楽しいですよね。どうして自分はこの作品が好きなんだろう、と確かめながら書く作業は、楽しい事です」 そうだ、そうだった。レ…

女の拠り所

「身寄りのない私には、子宮が最後の頼みだった」 TBS金曜ドラマ コウノドリ第7話。 吉田羊演じる小松さんが、子宮を全摘出した後に放ったセリフだ。 これを聞いた時、すぐ坂口安吾「青鬼の褌を洗う女」の一節を思い浮かべた。 「田代さんほどの人間通でもノ…

「家畜人ヤプー」は誰のための物語か

「家畜人ヤプー」はSM雑誌に掲載された。 そして豪華版のあとがきからもわかるが、日本人M男のための物語だ。 そう考えると、いろいろなことに合点がいく。イース世界では白人においては女権革命が起こっているので男尊女卑ならぬ女尊男卑がしかれている…

「家畜人ヤプー」後半の違和感

友達に薦められて、そしてそのウィキペディアを見て頭を抱えた。 そして何かに駆られるようにして、大学図書館に行って豪華版を借りてきた。限定2000冊のうちの一つ…高い学費を払っていてよかった。 そして取りつかれたように読み進め、寝込んだ。寝ても寝て…

『破産』(嶽本野ばら)

中学生のとき、野ばらちゃんをよく読んでいました。『おろち』『鱗姫』『デウスの棄て子』『ミシン』『ハピネス』『幻想小品集』… 高校を卒業してからは『変身』くらいしか読んでないな、久しぶりによみたいな、と思い『破産』読んでみました。2012年の…

わたしを離さないで(原作)

読みました。カズオ・イシグロ。 ドラマとは違うところが多々…というのは聞いていたので、すんなり読めました。最初から最後まで主人公キャシーの一人称なので、かなり読みやすいです。ドラマとの違いで気になったことをつらつらと。まず、原作はドラマと違…