三室山

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「家畜人ヤプー」は誰のための物語か

家畜人ヤプー」はSM雑誌に掲載された。
そして豪華版のあとがきからもわかるが、日本人M男のための物語だ。
そう考えると、いろいろなことに合点がいく。

イース世界では白人においては女権革命が起こっているので男尊女卑ならぬ女尊男卑がしかれている。黒人においては男尊女卑。
ヤプーは人ではないのでオス・メスだが(打っていて微妙な気持ちになった。私も日本人だもの)、メスはかなり優遇されているように思う。
理屈から言うと、ヤプム(子宮畜)になれるのはメスだけだし、イースの白人もいくらヤプーを人外とみなしていたからといってオスは男に、メスは女に見えてしまうだろうから女尊男卑のバイアスがかかってしまうのかな、とか考えられる。
※メスヤプーを使ったセントーアが白人男性の女尊男卑に対する劣等感のはけ口にされていることからこれは明らか。彼らはヤプーを人間ではないと言いながら、本能的に人間性を肯定している。
でもこれは現実の人間の、牛肉は食べられるけど猿肉は無理…というのと同じかもしれない。

メスヤプーよりオスヤプーの方が丈夫だからじゃない?というのも考えられるが、イースの技術ではメスだって身体強化できるだろう。
メスヤプーは明らかに優遇されている。優遇というか、えげつない描写が少ない。
なぜなのか…それは「家畜人ヤプー」がM男のための物語だからである。

そしてもう一つ。ヤプーたちはなぜ嬉しそうなのか。これもM男のための物語という視点で解決できる。
マゾヒストはただいじめられたいわけではない。なぜいじめられたいのかというと、それが快楽になってしまう性癖を持っているからだ。
だから、仮託対象のヤプーも気持ちよくならなければならない。気持ちよくなってないAVとか見たくないもん(ここは意見が人によって分かれるかもしれないけど…Sの人とか…?)
だからリンも服従の快楽を覚えていくんだなあ。

家畜人ヤプー〈第1巻〉 (幻冬舎アウトロー文庫)

家畜人ヤプー〈第1巻〉 (幻冬舎アウトロー文庫)