芥川賞マラソン①
芥川賞受賞作を新しいものから遡ってちまちま読む。そんな読書マラソンを始めた。
動機はなんとなく、遠藤周作が受賞したころまで遡ったら面白いかなあと思いまして。芥川賞は文藝春秋に絶対載っているので遡りやすくて、それもある。
雑誌バックナンバーは貸出NGだから絶対大学の図書館にあるし、ひとつも大体短いし。中央図書館の雑誌書庫で、9月号と3月号の文藝春秋を抜いては読む、それだけで良い。楽だな〜〜
以下、今のところの進捗。これからちまちま記録して行くと思う。
感想は基本テキトーなのであてにしないように。
第157回(2017上)沼田真佑 「影裏(えいり) 」
文學界新人賞からのストレート芥川賞とな。わざとなんだろうけど時系列が分かりづらくて読みづらさがあったかも? でも好みの問題か。
みんな釣り描写褒めてたね。たしかに釣り全然わかんないけど目に浮かんで来る感じだった。
やっぱりマイノリティと震災をサラッと書いたところが良かったのかな。いつだったか「國文學 : 解釈と教材の研究 46(3)」(學燈社、2001年2月)だったと思うんだけど(いまサイニーで検索しただけだから違うかもしれない)、そこで文学とホモソーシャルって見てから、文学の中でホモソーシャル文学(セクシャルではなく)は一大ジャンルな気がしている。「火花」もそうだと思う。
第156回(2016下 )山下澄人 「しんせかい」
正直、趣味ではない......かな。ストレートにこう思います! みたいなのが好みなので。
ビビっと来たのは、サービス精神で調子乗って先生の文句言っちゃうところ。ここはわかりみが深かった。
ただ読んだ次の日に、宮沢賢治が一瞬生き返って公園兼演劇共同生活体をつくるも彼が消えたとたん規律が守られなくなり、ボヤ騒ぎや勝手な引っ越しなども盛んになってやべえ!と電話で報告しようとするも履歴からも電話帳からも消えててあーーっもうあの世に帰っちゃってる!!! っていうとんでも不思議な夢を見たので、演劇共同生活体っていうのは脳内にこびりついていたらしい。宮沢賢治のケー番知ってる世界ってヤバい。
第155回(2016上 )村田沙耶香 「コンビニ人間」
やっぱりコンビニエンドなんだね。
白羽くんみたいな 矛盾してる嫌な奴書ききるの尊敬。
そして私も塾人間になっていたのかもしれない 。でも一皮むけば異物というか、使えなくなったら要らないし。そういう「私も●●人間かも......」っていう部分共感があって、単行本の方も結構売れたのかもね。
ただ、やっぱり沙耶香は現実の絶望を描くなあと思った。リアルだ。結局、老いたらどうなるかのアンサーは無いし。
あと文学界2017年3月号の村田沙耶香×羽田圭介対談とっても面白いのでおススメです。