三室山

本を読んだり映画を見たり、鉄道唱歌の旅に出たり

背伸びの読書

小学二年生のクリスマス、「ハリーポッターと秘密の部屋」を親にリクエストし買ってもらった。ハリーポッターは当時話題になり始めていて、ちょうどこの第二巻が新刊として本屋の表に特集されていたのだ。

しかし小学二年生の私、意気揚々と朝読書へ持って行ったはいいものの、全然読めなかった。字はちっちゃくて、出てくる設定や名前もややこしい。話もわかんねえ! 小学二年生の私は、呪文や魔法界の設定を同時処理出来なかったのだ。というかまずシリーズ物の第二巻だしね。気づけ!

お恥ずかしながら当時も今も、本が好きとは言っても、難しい本が読めるわけではない。当時は小学二年生らしく、いやちょっと遅いかも? ゾロリとかわかったさんこまったさんとか、魔女っ子まじょ子ちゃんとか、その他とりあえずA5判ならきっと面白い! という謎の信念を持ってA5判児童書を読みまくっていた。なのでハリポタは背伸びも背伸び、大背伸び。(ハリポタはその後四年生になって再チャレンジしてからハマりにはまり、当時最新の不死鳥の騎士団まで数週間で駆け抜けた。以降は新刊予約してたし徹夜で読んでた。好き。)

 どうでも良い背伸び情報を連ねると、小学三年生の時は倉橋燿子「ホーリースクール」だった。(そっからはA5判児童書信仰から青い鳥信仰へシフトした)

中学一年生は、あさのあつこの「夜叉桜」だった。挫折した。(児童文学じゃない、時代小説なんだよこれ...)

中学二年生は嶽本野ばらの「幻想小品集」だった。ちょっと難しかったけど読めた。(中二ドンピシャで野ばらちゃんにハマったんだね泣けてくるぜ!)

中学三年生は三浦しをんの「秘密の花園」「天国旅行」だった。(以降しをん大好きなんだけど、「秘密の花園」「天国旅行」は「光」とかと同系列のパターン陰・暗め難しめ、だよね。神去なあなあ〜とか星間〜とかのパターン陽・ハッピーエンタメも好きだけど、もっと陰っぽいのも書いて欲しいなあ)

高校三年生は坂口安吾「白痴」と内田樹「寝ながら学べる構造主義」だった。初めて国語の先生に質問したし、寝ながら〜は章ごとに自分で紙に要約して図解してやっとわかったようなわかんないような...? (国語の論説文でわかんなかったことなんてないのに!とプライドが傷ついた覚えがある...アイタタ)

大学に入っても、芥川全集をマラソンした時はかなり背伸びしたし、その途中で鴎外の「ヰタセクスアリス」を挟んだ時は、息抜きの真逆になってドイツ語挟むなや!と発狂しかけた。演習で扱った明治期小説たちも全部背伸びだった。谷崎の「秘密」とか、担当したけどよくわかってなかったし今もわかってない。なんだよ〜Arrested at last. 〜〜 ドストエフスキーも高校生で読んどけよって感じだけど、つい去年から頑張ってるし、まだまだ読むにゃ気合いがいる。

 

 しかし今一番の背伸びは論文だ。それも文学の作品論とか作家論じゃなくて(これも私のアホな脳みそには難しいけど、流石にこの3、4年で少しは慣れた)、社会学とか哲学とかそういう方面の......

院試で出す修論計画で泥沼の時期、物語論とか宗教の構造論とかやるとかなんとか背伸びっていうか大事故って感じの息巻きかたをしてそういうのを色々読んだ。が、読めないこと読めないこと。1ページ読むのに遅いし3度くらい読んでやっとわかるかも、わかる気がする、気がしてきた!みたいな......己の脳みそが恨めしい。でも同時に興奮した。

 世の中私が理解できない難しい書物に溢れてるぜ、だから読むものに一生困ることはない。だから中央図書館の地下は好きだし、身震いする。知恵のなんたるかを読むことによって学べ、知識の海に沈みたいよ〜〜〜って。と言いつつゲームしたり酒飲んだり遊びに行ったり、ストイックにお勉強はできないんだけど!

 

 

‪「私の見るところ、人間の脳には、ひとつの根源的欲求がある。それは自分を取り巻く世界がどのように成り立っているのか、またこの世界はどのような力によって動かされているのかという疑問にたいして、できるだけ統一的な説明を与えたいという欲求である。科学も神話もこの欲求に応えるものである」

フランソワ・ジャコブ

東郷雄二『文科系必修研究生活術 』(ちくま学芸文庫)

 

文科系必修研究生活術 (ちくま学芸文庫)

文科系必修研究生活術 (ちくま学芸文庫)