三室山

本を読んだり映画を見たり、鉄道唱歌の旅に出たり

世の中よ

世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞ泣くなる

(藤原俊成)

 

世の中もののあはれが多すぎる。

「感受性おばけ」と友達と呼び合っているのだが、文学や芸術に縋りよる人たちは特にこのあはれを感じすぎてしまう。と思う。それに振り回されてHPを消費しまくり、息も絶え絶え泣いては怒り倒れ伏し死ぬ死ぬ言いながら生きている。たまに本当に死ぬ。

俊成も息も絶え絶え山に入り、世の中のあはれから逃げようとしたのだと思う。けれど結局、鹿の気配だけで泣けてくる。当たり前だ、そりゃ泣くよ。細い足カサリと小さい音を立てて、陽に当たる黄金色の毛並みまで見えるよ。あはれすぎる。

高田馬場駅のロータリーに転がったトイレットペッパーのひとロールとか、赤黒く腐食した四谷見附橋とか。朝の青い暗さの中光る蛍光灯とか。そういうものに泣いて、肝心の家族とかにはめちゃくちゃな態度をとる。はっはーん、子供のままの大人ってよく言ったもんだ。

 

けど振り回され続けてなんだか生きてこれちゃったので、痛いプライドまでできて、さらにすがって、もっとアンテナを張り巡らせて、きっとそのうち天気予報で泣きだすぞ!