偶然という恩寵
5年間愛用していたヘアクリップを落とした。髪をまとめるのに超絶使いやすかったので、とてつもなくショックだ。底がまっすぐなサイドクリップってなかなか売っていないのだ。あーーーっ。
しかし私は思い出した。この間終わらせた卒論、そこで書いたものは何か。いや、色々と好き勝手書いて暴れたのだがその内の一つが「偶然という恩寵」についてだった。
卒論では遠藤周作「海と毒薬」について書いたので、キリスト教の「恩寵」のつもりで言っとります。実はちゃんと説明すると小難しいのだが、まあ簡単に言うと神様からのお恵みってやつです。
たとえば、あのときはとっても嫌だったけどあとで思い起こせばそれが良いきっかけになりました! これってきっと神様からのプレゼントだわ〜〜っていうあの理論。卒論ではこれともう一つの論をもって勝呂くんを救おうと奮闘したのです。
けれども「海と毒薬」の中だけじゃなく本当に世の中こればっかりよな、と思う。
世界中のいろんな「神」たちは、人間がわからない、理不尽だ、予測不能だ、と思うようなことを解決するためにいらっしゃる。
どうして世界はできたのか? どうして夜が来てまた明けるのか? どうして嵐は地震は干ばつは洪水はやって来るのか? そしてどうして人は死ぬのか。
こういう大きなことから、はたまた私の無くしたヘアクリップまで。よくわかんないことは、自然は、偶然は、人間によくわかんないのだから神のおかげと思うしかない。
そんなのただのまやかし、と言われても、そう考えた方が精神衛生上良いのだから今の今まで神はいる。恩寵もある。
そうこれは恩寵......新しいものを買えと主が仰せになった! そうですよね、ね。買いまーす。